公差と業界(普段設計しない、デカブツ設計をした時の苦労)
機械設計といっても色んな分野の、色んな機械があると思います。
私が主に設計しているものは、組立て部品で500mm角程度、本体部品でも
2m以内程度のものです。
また、材質は主にアルミ、SUS部品を使用しています。
ふと、振られた仕事の内容は、
300kg程度7m程度のものを、上下に昇降する設計でした。
動作自体は、簡単です。
上がって下がるだけ。。。
ズバリ。
言うのは簡単、やるのは大変。という典型的なものでした。
(諸先輩方は、多くの経験を積んでいらっしゃると思います。レベルの低い
設計屋の話で申し訳ありません。(; ;))
とりあえず、全体的なバランスを考えて、板厚・形状を設計しました。
図面と、寸法公差を見たいつもの加工屋さんはみんな見積もり時に
ハッキリ言って逃げ腰です。
もうほんと、何これみたいな感じに言ってきます。w
例えばこんな断面図
1.5mくらいの柱の断面です。
LMガイドをつけてスライドを考えると、このくらいの幾何公差が
ほしいなとか思うんですが、やっぱりやったことないから、
なかなか芳しい答えが返ってきませんでした。
それでも何とか、取引を初めたばかりの所と相談して、図面を修正したり
と作ってもらえることになりました。
やっとの思いで出来上がった!
まだ部品がですが、
デカイ!ゴツい!重い!動かない!wwwww
そりゃそうでしょ。鉄の20tなんて人が持ったらダメ。
裏っ返さないとダメ?ムリムリ、組めませんよそんなの。
(私が設計したんですけどね。組むのも私ですハイ。)
組立て場も吊り上げブロックも、台車とか、み~~んな借りました。
あの時は、本当にありがとうございました。
助けてくれたのは、みんな社外の人です。(; ;)
図面書くので手一杯で、他の段取りは考えないようにしてました。
だって他の案件もヤバいし。。。(言い訳)
納期も全然ありませんでした。加工屋さんも同じです。
なので、外注するものは日本全国の加工屋に飛んだようです。www
あの酷い図面が... 恥ずかしい(泣)
それが、やはりもう一つの失敗を産み出しました~。
基本、機械公差前提の図面でしたので(言い訳)
なんと! 鉄15t レーザーでぶったぎって、そのまま出来てる(恐怖)
もちろん表面ギザギザ、穴ボロボロ。
勉強になりました。(; ;)
出荷も相当苦労しましたが、何とか現場入りして設置できている姿が
見れました。
もちろん他の機械も同じスケール感。
そこで、
すごい仕上がりだ、このデカさでこの精度なんですか。
とビックリしました。
普段何気なく、見ていましたが、作ることでその凄さを実感しました。
なので、公差などは業界によっては全然常識が異なるのかもしれません。
もちろん私のいつもお願いしている所も、凄い所が沢山あります。
ただ、ちょっとでも長くなったり、分厚かったりすると質問に対して、
返ってくる言葉が全然違うのかもしれないなと感じました。
・公差は自分の信じた(設計上必要だと)ものを押し通す
(加工ベースで公差を緩めると、動くまで恐怖に襲われるw)
・加工屋さんが普段作っているものを把握する
(・やったことが無いものは、大抵ヤバい。時間に余裕をもって)
内容は、そこまで深くありませんが、自分にとっては凄く苦労した経験
でした。正直もうやりたくありません。w
会社も、協力業者も、やったことが無い案件でした。
こんな状況下で、助けてくれる人、逃げちゃう人、本当に分かれます。
(受注した人ですら逃げちゃいますw)
あんな苦労はしたくありませんが、自分のレベルが上がったことは確かです。
あと一つ、こんなとき相談・アドバイスをくれる周りの人がいればとも
思いました。
低レベルな内容かもしれませんが、誰かが見て少しでも何かの役に立ち、
困難を乗り越えて頂ければと思います。